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2007年04月29日

「月刊現代」の記事 「書かれざる『宗教監禁』の恐怖と悲劇」について  米本和広(ルポライター)

講談社「月刊現代」が強制改宗事件に関するドキュメント掲載
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「月刊現代」2004年11月号 講談社(11月1日発行) 284-303頁
長編ドキュメント
統一教会信者「脱会」後の重い十字架
書かれざる「宗教監禁」の恐怖と悲劇

米本和広(ルポライター)  
 
書評■  
超人類ネット会長・江本武忠(えもと・むちゅう) 2004.10.6
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上掲書に所収されたドキュメント(以下「本稿」という)の執筆者・米本和広氏は、これまで「カルト」宗教の諸問題について論述してきた人物であり、統一教会に対しても批判することはあっても賛同的なことを書いた氏の文章など読んだことがない。ただ、私は米本氏の『教祖逮捕』、『大川隆法の霊言』などを読んだことがあるが、記述が具体的であり、感じたことを率直に書く人だという印象はあった。もちろん、本稿も統一教会に賛同する意味で書かれたものではなく、あくまでも統一教会が抱える深刻な問題である拉致監禁・強制改宗について調べてみた所、これを重大な問題として提起せざるを得なくなったということである。

米本氏のスタンスは次のようである。すなわち、統一教会が「高額な信者献金」や「正体を隠しての伝道活動」の問題で社会的批判を受けても仕方はないが、「だからといって、子ども──子どもといっても成人であり、なかにはすでに結婚し家庭を築いている人もいる──を強引に拉致監禁し、強制的に説得するという行為が許されるはずはない。『拉致監禁』は刑法220条の『監禁罪』=懲役3ヶ月以上5年以下に相当する犯罪であり、たとえ親でも免責されるわけではない。(中略)『信者救出』の名のもとに行われる拉致監禁は許されるのだろうか──本稿で私が問いたいのは、まさにそのことに尽きるのである」(上掲書、288〜230頁)。

この米本氏の考えは、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というような統一教会の反対者やマスコミ姿勢に見られる感情論を脱している点で、大いに評価されねばならないと思う。また、暴力的な拉致監禁事件で裁判となった今利理絵さんの事件(高裁で敗訴、最高裁に上告中)についても、氏は「正直に告白するが」と述べた上で「事実を確かめることもなく、要請されるままに牧師支援のカンパに応じた」ことを述べている。それほどに、統一教会の拉致監禁問題は一般に知られていないのである。またそれだけに、その実態に少しでも触れた氏の驚きがいかほどであったかは察するに余りある。

さて、本稿では統一教会信者であった宿谷麻子さんが路上で親から暴力的に拉致監禁された事件など、いくつかの具体的事例をもとに考察が進められる。その中で、大いに読者の関心をひく問題として、白昼公然と拉致されるという暴力を目の前にして警察が全く取り合わなかったことがあげられる。人権思想が発達した諸外国では到底考えられないことである。しかし、あの山崎浩子さんの拉致失踪事件がそうであったように、拉致監禁の首謀者が統一教会の問題を「親子問題」にすりかえる巧妙な仕組みを利用し、その上「マインドコントロールされている」という便利な常套句を利用することによって、拉致監禁という犯罪行為のほうが正当であるかのような、まるで手品のような芸当が公然とまかり通ってきたのである。

更に、これほどに暴力的な犯罪行為が裁判になった場合、裁判官がそれを違法であると認められないケースが多いのも実に不可解である。
上述の今利さんの裁判では審理における事実認定の過程と判決文の内容に相当の乖離(かいり)があるのではないかという話も聞いているので、それについても今後詳細に調べる必要があると思う。一体、裁判官がいかなる理由でこれほどの暴力的拉致監禁行為を正当なものと是認したのであろうか、実に不思議である。
本稿では実際に拉致監禁行為を共同して行なってきた日本基督教団の黒島栄牧師(横浜市、戸塚教会)、清水与志雄牧師(名古屋東教会)、福音派の高澤守牧師(神戸真教会)らの所業についても言及している。高澤牧師は拉致してきた信者に向かって包丁を机に突き立てて、部屋を出るのなら「この包丁で私を刺してから」出て行けなどと脅迫したこともあるという。私など、こういう違法な行為を行なう人が牧師を名乗っていること自体不思議でならないが、そういう行為を認めている日本基督教団や福音派教団にも強い疑問を感じる。
ともかく本稿は統一教会信者に対する拉致監禁事件について具体的内容を公表し、被害者の深刻な実態について問題を提起した貴重な資料であることは間違いない。拉致監禁された人々は、その後に統一教会を脱会したか否かに関わりなく、強烈なPTSD(心的外傷後ストレス障害)を受けてしまう。そして、その深刻な悩みは社会的に一切問題にされず癒されないままなのである。1件や2件ならば特殊な事例ということもあるだろう。しかし統一教会の拉致問題は年間にして数百件存在するのである。彼らはボランティアではなく金を取っているので、儲かるからこそ続いているという側面も無視できないであろう。
以前、ジャーナリストの室生忠氏が勇気をもって統一教会の拉致監禁事件のことを月刊誌「創」に連載したことがあるが、室生氏はその件で反統一教会の学者から提訴されることとなった。その裁判は室生氏の敗訴となったのであるが、裁判所自体が統一教会の社会的悪評に左右された感があり(そんな理由で判決を下してもらっては困るのだが日本の裁判官はマスコミを恐れる保身主義者が多い)、教会信者としては実に痛々しく感じた。

願わくは、統一教会信者の拉致監禁事件を扱われる論者におかれては、事件に左翼の学者、ジャーナリスト、弁護士らも深く関与しているところまで追及し、更に日本の裁判がいかに偏向しているかという問題にも触れていただけたら大変ありがたいのであるが、本稿によると、すでに「(米本氏から)取材申し込みがあるかもしれないが、十分に注意するように」(303頁)と仲間たちに呼びかけている「反カルト」の弁護士も存在するようなので、米本氏がまた室生忠氏と同様に訴えられたり、身辺に危険が及んだりしないことを祈るばかりである(まさか拉致監禁されることはないと思うが)。


<参考記事> 世界日報 2004.10.28(11面)「論壇時評」 ──書かれざる「宗教監禁」── .

2007年04月28日

「強制改宗〜引き裂かれた信教の自由〜」

統一教会編「強制改宗〜引き裂かれた信教の自由〜」
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「強制改宗〜引き裂かれた信教の自由〜」
宗教法人世界基督教統一神霊協会編
光言社発行(1993.6.1)

内容

序章 反統一教会運動の本質と歴史的経緯の概観
基本的認識
反統一教会運動の歴史的概観
拉致・監禁による強制棄教の正当化
拉致・監禁による強制改宗の手順

第1章 私はかく強制改宗による信仰破壊行為を受けた
  ──拉致・監禁を逃れた人々の上申書から──
富永直子さんによる上申書
沖田京子さんによる上申書
渡辺貴志さんによる上申書
片岡雅子さんによる上申書
小林ミカさんによる上申書
松原愛子さんによる上申書

第2章 アメリカにおける強制改宗問題
特別講演 マーヴィン・ボーデロン師
論文    マーヴィン・ボーデロン師

第3章 強制改宗と信教の自由に関する資料
<強制改宗に関して>
横溝牧師の教唆の現場
反統一教会活動家および組織の関係図
反対牧師および反対活動家一覧
改宗のための監禁は違法─京都地裁判決文─
アメリカでの判決
反対牧師の強制的改宗活動の「犯罪性」と「欺瞞性」
参考文献一覧
<信教の自由に関して>
若い人々のためにも信教の自由を
信教の自由に関する宣言─第2バチカン公会議公文書から─

2007年04月27日

「私は拉致・監禁された!」

統一教会編集発行「私は拉致・監禁された!」
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「私は拉致・監禁された!」
〜統一教会員の「信教の自由」「基本的人権」を奪う牧師の実態〜
宗教法人世界基督教統一神霊協会
光言社発行、1988.7.20

目次
●許せない強制改宗のための監禁
●巧妙で綿密な計画立て拉致
●反対活動家たちのつながり
●座談会「信教の自由を守る」
            弁護士 上野忠義
        青山学院大教授 入江通雅
●強制改宗の実態
●資料・上申書
●統一運動を支援する会発足

2007年04月26日

ジャーナリスト室生忠氏  強制改宗に関するレポート

 ▼ 月刊『創』2000年3月号(2月7日発行)
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●新連載「強制改宗の実態」宗教ジャーナリスト室生忠

<解説>

宗教ジャーナリスト室生忠氏が、統一教会信者に対する拉致監禁・強制改宗の問題につき、偏見を取り去って客観的に調査しつつレポートし、宗教と社会の関係の本質に迫る論述を始めた。ところが、本来自由であるべき論説において室生氏が名誉毀損で提訴されるという事態が生じた。訴えた原告は浅見定雄という神学者(東北学院大名誉教授)である。論争は『週刊金曜日』などにも飛び火したが、以下『創』に掲載された内容を追うことにする。なお、ここに『創』背表紙の画像を掲示するが、ネット特有の便宜上のことであって特に広告等の他意はないことをお断りしておく。各説明文は江本武忠自身によるもので、誌上の小見出しタイトル等ではない。

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●2000.3 知られざる「強制改宗」の攻防(1)
統一教会・鳥取教会をスタンガン、チェーンなどを持って襲撃した改宗屋グループと、その時に拉致された女性信者富澤裕子さんの状況をレポート/マスコミが一切報道しなかった件/今利理絵事件/アントール美津子事件/女性信者自殺の例/等

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●2000.4 知られざる「強制改宗」の攻防(2) 「強制説得」の担い手たち
エホバの証人信者が監禁された事例/教会の牧師が「強制説得」を請け負っているという状況/強制説得を指導するグループは3系統あり、相互に連携している/監禁でレイプ事件も起きている/精神病院への強制収容もある/手足をロープで縛り“座敷牢”に入れられる/等

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●2000.5 知られざる「強制改宗」の攻防(3) マインドコントロール理論を批判する
世界的な宗教社会学者として知られるアイリーン・バーカー博士と室生氏との対談/ディプログラミング(脱洗脳)と脱会カウンセリングの相違/「カルト」と「セクト」/欧米ではマインドコントロール理論は否定的きある/等

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●2000.6 知られざる「強制改宗」の攻防(4) 「拉致監禁」か「救出保護」か
ディプログラミングをめぐる4件の訴訟/裁判所(京都地裁)も親による拘束、棄教の強制は違法であると認めた/「救出」の名目で棄教を強制している/等

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●2000.7 知られざる「強制改宗」の攻防(5) ついに国会でも問題に
国会で桧田仁議員(自民党)が組織的拉致監禁集団について追及、警察庁長官(田中節夫)が答弁した/カルト警戒網(CAN)の活動とその崩壊に至る経緯/在日米大使館を通して米国務省が調査を開始した

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●2000.8 知られざる「強制改宗」の攻防(6) 最終回 ディプログラミングを生み出す社会構造
鳥取事件での不起訴処分について/脱会の仕方と精神的後遺症/「反カルト」のカルト性/批判を拒否する閉鎖体質/教会側の意見、裁判等はほとんど報道されない/等

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●2000.11 知られざる「強制改宗」の攻防 その後 「強制改宗“鳥取・監禁裁判”に判決が!」
鳥取地裁(一谷好文裁判長)は監禁をし女性信者の親と監禁を指導した牧師(高澤守)に対し損害賠償の支払を命じる判決を下した/鳥取事件では統一教会側弁護士が警察に「襲撃者を逮捕してほしい」と要請したにもかかわらず1年以上放置されたため、やむなく民事提訴したという経緯があった/マスメディアは沈黙し、報道しなかった/米国務省は日本の宗教者拉致監禁問題に言及した/等

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●2001.3 投稿 「『強制改宗』めぐる攻防」執筆の背景
室生氏の記述に対し、そのうち4箇所が名誉毀損に当たるとして元東北学院大教授浅見定雄氏が室生氏を提訴した。それに対して、むしろ名誉毀損を受けたのは自分のほうであるとの根拠を示して室生氏は反論。その経緯、またメディアの責任等について/なお、室生氏の投稿文の前に編集部による「『強制改宗』めぐる攻防」裁判と本誌の立場」という文章が載せられた。

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●2001.6 投稿 「エホバの証人説得牧師に違法判決」
エホバの証人信者が監禁され棄教を迫られた事件で、神戸地裁(近藤猛司裁判長)が原告信者に勝訴判決を下し、監禁を協力した牧師(草刈定雄牧師)の違法行為を認めた/等

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●2002.3 投稿 「名誉毀損裁判の判決になぜ控訴したか」
東京地裁民事部(高田健一裁判長)は浅見定雄氏が提起した訴訟につき、「創」誌と室生氏に対して損害賠償の支払を命じる判決を下し、室生氏に対しては謝罪広告の掲載を命じた/高田裁判長の判決内容には種々に深刻な問題があり、控訴した/室生氏の投稿の前に編集部による「『強制改宗』めぐる裁判で控訴した理由」が載せられている

室生忠(むろう・ただし)
1944年茨城県生まれ。 フリージャーナリスト。 1968年中央大法学部卒。著書に「現代の宗教 立正佼成会」、「若者はなぜ新・新宗教に走るのか」、「新人類と宗教 若者はなぜ新・新宗教に走るのか」、「阿含宗 世界平和への道」、「対論 オウム真理教考」等多数

ホームページ「室生忠の宗教ジャーナル」

2007年04月25日

鳥取教会襲撃拉致事件

● 鳥取教会襲撃・拉致監禁事件の裁判(被告=高澤守牧師ら)

<解説>

1997年6月7日、統一教会に反対する牧師らで構成される武装グループ約20名が鳥取教会を襲撃し、スタンガン(高電圧で相手を気絶させる銃)、チェーン、鉄パイプなどで信者に暴行・傷害を加えながら暴れまわり、女性信者(富澤裕子さん)を拉致して連れ去った事件。

統一教会は反対派グループに対し、器物破損罪、威力業務妨害罪、逮捕監禁罪、建造物侵入罪、傷害罪などの理由で鳥取警察署に告訴した。一方、拉致された富澤さんは反対派グループのマンションに約1年3か月にわたって監禁され、高澤守牧師(神戸真教会、福音派)から強制改宗の説得を受けたが、その後脱出して統一教会に戻ってきた。

統一教会信者の拉致監禁事件は、被害者の親が関与しているため、反対派グループは常に「親子問題」にすりかえ、「民事不介入の原則」をたてまえとする警察の取り締まりを避けてきた。また、被害者が裁判に訴えるにしても彼らと同時に自分の親をも訴えなければならないという心情的な苦痛がある。そのような弱みに付け込んで、統一教会信者に対する拉致事件はますます増えていったのである。

しかし、富澤さんはこのような拉致事件を再発させないためにも、高澤牧師と共に自分の親をも提訴することにしたのであった。裁判では、反対派グループの牧師、弁護士らはあくまでも「親子問題」であるから許される、統一教会は「マインドコントロール」をしているのだから拉致監禁して強制改宗をしても許されるのだという主張であったが、鳥取地裁は反対派グループの不法行為を認め、彼らに対して損害賠償の支払いと不作為命令(当該行為を禁じる命令)を下したのである。

宗教新聞、2000年9月5日号 鳥取地裁が被告らに損害賠償等を命じる判決  
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1997年6月7日、拉致犯行グループ約20名がスタンガン、鉄パイプ等の武器を持って鳥取教会を襲撃した際に、逃げ惑いながら血まみれの負傷を負ったことを説明する統一教会信者。
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統一教会信者を拉致監禁して強制改宗の説得に当たった牧師は神戸真教会(福音派)の高澤守牧師である(この男は同年10月17日付で刑事告訴されていたが、後に「起訴猶予」の処分となっている)。
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