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2008年04月18日

知られざるら致・監禁の現実 ロイヤルコーポ505号室 Part24

●私の「切り札」
 
偽装脱会が気付かれ、二度目のマンションに移ってから、険悪な数日が過ぎた。数日後、ふだん一番よく来てくれる脱会者のAさんがやってきた。
 偽装脱会が気付かれたばかりで、会話もぎこちなかった。Aさんが「どうしたんですか」と聞いて来た。私が「いや、ちょっといろいろあって」ともごもご答えた。
 A「一体なぜ、統一教会側に連絡を取ろうとしたんですか」
 私「統一教会も信用できないが、あなたたちも信用できないんです」
 A「じゃあ、どうしたら信用してもらえるんですか」
 私「あなたたちは何かにつけ、ぼくに隠そうとするでしょう。ぼく、普通の人より疑い深いんで、いろいろ気付くんですよね」
 ここで少し間をおき、こちらの切り札をぶつけた。少し失礼なので、この切り札はできれば使いたくなかった。
 私が「ところで、Aさんが入ってたマンションはどれっくらいの広さだったんですか?ここよりも広いですか」と聞くと、Aさんはうろたえた。「いや…ちょっとわからない。ここと同じぐらいかな。……もうちょっと広かったかも」。
 要するに、私が聞いたのは「ここは、あなたが監禁を受けていた、まさにその場所ではないんですか?」ということである。私は、普段のAさんとの会話に照らしあわせて、ここにAさんが監禁されていた、という手ごたえを掴んでいた。Aさんの反応で、それが正しいことが確認できた。
 そもそも、監禁場所を確保するのはそんなに簡単ではない。深夜まで怒鳴り声などが絶えず、不審な人物が出入りする。勝手に改造するし、使用目的もいつまで使うかも不明。だから、一人の反対牧師が確保している監禁場所は、そんなに多いとは考えられない。ということは、訪問して来る脱会者の中に、まさにその場所で監禁されていた「先輩」が含まれている可能性は、非常に高いのである。
 反対派は、組織的な犯罪色が目立つので、監禁場所を使い廻していることなどは隠そうとするが、この点で反対派は、本人に対して負い目を持っている。ここで私はこの点を突いて、この監禁は結局、私を「救う」ために行なっているのではなく、反対運動の一環にすぎないのではないか、私を統一教会への反対活動に利用しているにすぎない、と指摘したのである。私がこうした条件を握っているためか、これ以降反対派は私に、いろいろな情報を提供するようにと強く言わないようになった。しかしそれは同時に、脱会者たちに「自分は偽り者である」と自分に対して情けない思いをさせることにもなる。
 会話がそそくさと終わり、Aさんは上の空で、目もくれず帰った。しかし相当動揺したらしく、いったんカバンを忘れてまた取りに戻った。
 私は本当に気の毒に思った。
 私の監禁中、Aさんが何十回もマンションを訪ね、いろいろと尽くしてくれたのは事実である。あの何倍も尽くしてもらっていたら、私は脱会を真剣に考えたかも知れない。
 しかし敢えてAさんの欠点を言うなら、Aさんは主体性が欠けたいわゆる八方美人の性格で、周囲によく思われることばかり気にし、結局全てのことにおいて不満をため込んでしまうタイプである。そして今、Aさんは、反対派の言うことを信じ、こうやって反対運動に参加しているが、このままAさんは、自分の人生を振り返って、結局自分の人生は他人に利用されてばかりだった、とさらに恨みを持つ時がくるのではないか。
 私は、反対派は間違っていると思った。物事には引き際というものがある。この時すでに私は反対派の脱会プログラムを一通り消化した立場だった。反対派に私の信仰を奪うことができないのは、もうハッキリしていた。建て前であっても、その上で「脱会する」と本人が言ったなら、ここで監禁はすみやかに打ち切るべきだったのである。ずるずると監禁を引き延ばすと、周囲も私も、言わずに済むことを言いい合わなくてはならなくなり、かえって全員がどんどん傷ついていくのである。Aさんも、そういった反対派の勝手な都合のために傷つく人間の一人なのだ。
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